長野県最南端の秘湯と秘境の里・山と渓谷に囲まれた里山がここにあります

信州遠山郷

遠山郷観光協会/長野県飯田市南信濃かぐらの湯となり
Tel0260-34-1071 https://tohyamago.com/

地図

二度芋

二度芋

畑と囲炉裏が守り育んだ里山文化

長野県選択無形民俗文化財「遠山郷の二度芋の味噌田楽」
馬鈴薯を煮て、竹串に刺し、えごま味噌、山椒味噌、ねぎ味噌などをぬって、炭火であぶった郷土食です。

  • irori囲炉裏で炙る芋田楽(撮影:大井美知男氏)

遠山郷の二度芋

 遠山地方ではジャガイモのことを二度芋と呼び、古くから急傾斜の畑で栽培をしてきました。
 遠山の二度芋はふつうのジャガイモより小粒で貯蔵性がよく、身が締まっているのが特徴です。また、連作障害がなく、毎年同じ畑で作ることができます。
 蕎麦とジャガイモは世界でももっとも冷涼な土地に適した作物であるといわれていますが、遠山の二度芋はほかの土地に持っていっても葉が茂るばかりで芋が大きくならないとされています。
 厳しい南アルプスに生きる人々にとって、二度芋はなくてはならない遠山独特の作物なのです。

  • simoguri二度芋の産地、上村下栗
  • hatake下栗の二度芋畑 (撮影:大井美知男氏)

▲PageTop

二度芋の歴史

 ジャガイモはペルー・アンデス高地付近が原産とされ、ヨーロッパを経由して16世紀末頃の長崎にもたらされたのが日本のジャガイモ史の始まりです。
 ジャガイモという名はジャガタラ(ジャカルタ)に由来し、関東から中部地方にかけて分布していた名称ですが、現在では「馬鈴薯」と並ぶ一般名称となっています。

 現在の飯田下伊那地方では、二度芋といえば特に遠山産のものを指すようですが、東北や近畿地方などでは一般にジャガイモのことを「二度芋」と呼んでいます。
  その名の由来は、夏と秋の二度収穫できることから来ており、長崎などには「三度芋」の名もあるようです。けれど現在の遠山地方では春作のみで、後作にはソバを植える農家がほとんどです。
  よって、村内の料理店や民宿などでは八月以降に二度芋を味わうことができます。

 遠山の二度芋と一口に言っても、じつはいくつかの種類があります。
  二度芋の主要な産地は上村の下栗ですが、この二度芋は山梨県の流れを汲むとのことから別名「甲斐芋」と呼ばれています。
 高野長英の著作などによれば、ジャガイモ栽培は明和年間に甲斐国で広まり、その後信濃、飛騨、上野、武蔵などへ伝わったとされています。
 下栗に伝わる「甲斐芋」は、日本にジャガイモが広まっていった時代の名残の品種なのかもしれません。

 一方、南信濃村の八重河内などで作られている二度芋は「下り芋」と呼ばれ、遠州からヒョウ越峠を越えてやってきたといわれています。
 八重河内の民宿このたでは、下り芋の料理が味わえます。
 さらに、現在では白イモと赤イモの二系統が作られています。
 甲斐芋と下り芋、白イモと赤イモ。それぞれの味の違いが分かれば、あなたはかなりの”トオヤマニア”です。

  • 遠山郷 赤イモと白イモの写真赤イモと白イモ (撮影:大井美知男氏)

▲PageTop

芋田楽という名の文化財

 平成一四年三月十四日、「遠山の二度芋の味噌田楽」が長野県の選択無形民俗文化財に指定されました。標高の高い急斜地で作られる二度芋が、山間部の畑作文化を現在に伝える貴重な財産であると認められたのです。 (※注1)

 二度芋田楽は素朴な郷土料理です。皮をむかずに茹でた二度芋を竹串に三~四個刺して、味噌タレをつけて囲炉裏の炭火で炙ります。タレはくるみ味噌やねぎ味噌も美味しいですが、なんといってもエゴマ味噌が遠山の味でしょう。
 炭火で炙られたみその香ばしさに誘われてかぶりつくと、ずっしりとしたその歯ごたえがジャガイモの原点を彷彿とさせてくれます。
 料理法は単純ですが、今では遠山にさえ、囲炉裏を持つ家はなかなかありません。そういう意味では、昔ながらの芋田楽を味わうことも難しくなっていると言えるでしょう。
 二度芋田楽は畑作文化、そして囲炉裏文化の結晶なのです。

※1… これを受けて、上村ではいま「下栗二度芋」の「信州伝統野菜」認証にむけて申請中です。伝統野菜とは、産地や作り方、品種などを細かく定め、その名称をひとつのブランドとして認定するというものです。遠山の二度芋はやがて全国に通用するブランドへと成長するのかもしれません。

  • 遠山郷 芋田楽の写真祭りの屋台の芋田楽

>二度芋味噌田楽の作り方

▲PageTop

●参考文献
『からい大根とあまい蕪のものがたり』 2002 大井美知男・神野幸洋編著  長野日報社出版局

  関連記事

no image
遠山郷のお弁当

遠山郷のお弁当&テイクアウト 主に、和田地区 お弁当リストです。 遠山郷も元気にがんばってます。    

ログハウスの宿「かぐら山荘」

かぐら山荘 旅の拠点にログハウスの宿 丸太小屋風の建物、日帰り温泉かぐらの湯から歩いて1分です。 ▲ご宿泊時、夕飯メニューの一例 >続きを読む

信州サーモン・あまご

梶谷川の清流で育った あまご 信州サーモン              >続きを読む

no image
上村施設 営業状況 R3/10/21現在

上村施設(大空企画)営業状況です。 施設名 電話番号 市外局番0260 定休日 営業時間 備考 (株)大空企画 事務局 tel  >続きを読む

お土産処

お酒の福島屋 地酒「霜月祭」「神々の棲む里」 遠山郷限定販売の銘酒です。 ○場所/南信濃和田 ○TEL 0260-34-2034 >続きを読む

小林蒟蒻店

小林蒟蒻店 蒟蒻一筋 手作りこんにゃく(378円)お刺身こんにゃく(378円)ほか 2年〜5年もの、という地元産の立派な蒟蒻いも >続きを読む

遠山の山肉料理

遠山の山肉料理 食べて学ぶ・・人と獣の交流史 遠山の名物と言えば、猪や鹿、ときには熊などの山の肉。 狩猟期間中には何十kgもの大 >続きを読む

しらびそ高原”天の川”

しらびそ高原”天の川” 天高く、日本アルプスの展望台! 日本の3大アルプスが一望できるしらびそ高原は行楽シーズンともなると大勢の >続きを読む

高原ロッジ下栗

高原ロッジ下栗 下栗の里を見下ろす高原の山荘で 『下栗の里』は、最大斜度38度の急傾斜地で、今も雑穀を作り続けている集落であり、 >続きを読む

遠山ど冷えもん(ジンギス自販機)@吉丸屋ストアー前

肉に特化した 遠山ジンギス自販機 ですが、 アンバマイ館内 から 吉丸屋ストアー前 に移転しました。 深夜・早朝でも購入可能とな >続きを読む

前の記事
遠山地鶏とは
次の記事
遠山郷と赤石銘茶

二度芋 長野県最南端の秘湯と秘境の里・山と渓谷に囲まれた里山がここにあります

Copyright © 1998-2016 遠山郷観光協会 All right reserved.

▲ページ先頭へ