長野県最南端の秘湯と秘境の里・山と渓谷に囲まれた里山がここにあります

信州遠山郷

遠山郷観光協会/長野県飯田市南信濃かぐらの湯となり
Tel0260-34-1071 https://tohyamago.com/

地図

遠山郷のこんにゃく

遠山郷のこんにゃく

今も昔も、飯田下伊那を席巻中

  • konnya遠山のおさしみこんにゃく (青のり入とほうれんそう入)

谷ならではの畑のめぐみ

  • yamazaki山崎典子さん

  遠山谷は急傾斜地が多くて水田に適さないため、今も昔も畑作農業が盛んです。
  とくにこんにゃく芋の自然栽培は、朝日の受ける日当たりのいい南向きの傾斜地が適地とされ、また麦との二毛作が可能だったために、多角経営が求められる遠山谷の農家にとっては最高の換金作物でした。

 現在ではこんにゃく畑も減ってしまいましたが、それでも自家製のこんにゃくを作っている農家があります。
 しっかりした歯ごたえのあるものから、プルプルとした柔らかいものまで、それぞれの家の好みにあわせてこんにゃくのも千差万別。
  今でもこんにゃくの手作りを続けている木沢下中根の山崎典子さんによれば、 「同じ大きさの芋でも、若い玉があったり年を経た玉があったりするので、それぞれ入れる水分の量も加減しなければいけません。だからどれひとつとっても同じこんにゃくはできないんです」 とのことです。

自家製のこんにゃく料理

  • konota大屋敷つし子さん

 こんにゃく芋の収穫は秋。八重河内の 民宿「このた」 では、11月頃から翌年の春にかけて、自家製のこんにゃく料理が楽しめます。

「うちではこんにゃくをお肉と煮込んだり、きんぴらやおでんにしたりしています。なぜか自家製のこんにゃくは味がしみやすくて、和え物も美味しく食べてもらえます。このへんではとくに”こんにゃくのくるみ和え”が、冠婚葬祭に欠かせないお料理なんですよ」
  と語るのは、民宿の”おかあさん”、大屋敷つし子さん。「このた」ではこんにゃくのほかにも、自宅の畑や山で採れた野菜や山菜などの旬の料理が、訪れる人の人気を集めています。


▼お問い合わせ
民宿このた 宿泊7500円~ お弁当、お食事のみも可(要予約) Tel 0260-34-5034

遠山こんにゃくの歴史

 こんにゃくはインドシナが原産で、植物としてはすでに縄文時代に日本列島へ伝来していたと思われます。
  平安時代には宮廷で食され、江戸時代に入って精粉の技術が開発されたために庶民にも普及しました。当時は水戸藩の専売品となっていましたが、各地の山村でこんにゃく栽培が行われていました。

 日本こんにゃく協会の『近代こんにゃく資料』によれば、長野県におけるこんにゃく栽培の歴史は江戸中期から。
  遠州から下伊那地方へ、そしてやや遅れて上州から東北信地方への流入経路が伝えられています。
  秋葉街道を通じて遠州と隣り合わせている遠山谷は、長野県のこんにゃく先進地だったのです。
 明治10年代にはすでに飯田の商人が遠山に生玉を買い付けに来ていたといいます。
  昭和6年に行われた郡農会の生産高調査によれば、当時の下伊那郡産こんにゃくの97.3%が遠山産で占められていました。

 こんにゃくは食品としてだけ利用されたわけではありません。
  第二次大戦中、日本軍は「風船爆弾」の製造を国家プロジェクトとして行いました。
  丸い気球に爆弾を吊り下げ、偏西風に乗せてアメリカ本土を爆撃しようという計画です。軽さを追求するために気球には和紙が用いられ、その貼り合わせにこんにゃく糊が使われました。
  現代人の感覚からするとなんとも風流かつ悠長な作戦ですが、朝日新聞の報道によると90余個の風船爆弾がアメリカ本土に達し、オレゴン州の山中では死者6人が出たそうです。
 おそらくは、遠山のこんにゃくもその原料となり、海を渡ったのかもしれません。
 戦後、配給統制が解除されるとともにこんにゃくの価格は暴騰し、当時県下唯一のこんにゃく産地として残されていた遠山では一大こんにゃくブームが起こり、「こんにゃく成金」という言葉さえ生まれたほどでした。

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シェア90%、地元芋100%

  • kobayasi小林文人さん、利子さん

 遠山こんにゃくの伝統は今でも引き継がれています。
 和田の小林蒟蒻店は、下伊那のこんにゃくのシェア90%を占めるという小さな大企業。県内のスーパーはもちろん、土産品として県外にも出荷されています。
  店ではご主人と奥さんの息のあったコンビで工場を切り盛りしています。
  「うちのこんにゃくは、精粉からではなく、年間を通してこんにゃく芋から直接製造しているので、味が良くしみてコシがあると評判をいただいています。それも下伊那の芋100%なんですよ」
 そして、ここのもうひとつの自慢は、水。地下40メートルから汲み上げた天然水を使っているので、刺身用に限らずふつうのこんにゃくを生で食べても美味しいのです。
 現在では、青のり入、ほうれん草入などユニークなこんにゃくも販売中。ぜひみなさんも、遠山谷のこんにゃくを食べてみてください。

>小林蒟蒻店ホームページ


▼お問い合わせ
小林蒟蒻店 こんにゃくがお酒や椎茸などセットになった贈答品も扱っています。 Tel 0260-34-2074

●参考資料
こんにゃくドットコム
こんにゃくメーカー、共栄蒟蒻のサイト。こんにゃく雑学が面白い。
こんにゃくワールド
財団法人日本こんにゃく協会のサイト。統計資料などがたくさん載っています。
『南信濃村史 遠山』 昭和51年 南信濃村史編纂委員会編 南信濃村発行
「古きを訪ねて63 遠山のこんにゃく」 さわみつる (南信濃村公民館報『やまなみ』 平成4年3月31日)

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