長野県最南端の秘湯と秘境の里・山と渓谷に囲まれた里山がここにあります

信州遠山郷

遠山郷観光協会/長野県飯田市南信濃かぐらの湯となり
Tel0260-34-1071 https://tohyamago.com/

地図

アマゴ(ヤマメ)~遠山を代表する川魚~

アマゴ(ヤマメ)~遠山を代表する川魚~

アマゴはイワナとともに、遠山を代表する川魚です。 地元ではアメノウオ、もしくはアメと呼ばれて親しまれてきました。

  • yakiアマゴの塩焼き

アマゴとヤマメはどうちがう?

アマゴとヤマメは姿がほとんど同じで、淡白な身や柔らかい骨など、川魚としての美味しさも変わりません。ただ、アマゴには脇腹に赤い斑点があり、ヤマメにはそれがないのが特徴です。
 どちらもサケ科で、ヤマメは北のサクラマスの陸封型(※注1)、アマゴは南のサツキマスの陸封型です。遠山川を含む天竜川水系はアマゴ分布圏となっています。
  三十年以上にわたってアマゴの養殖を続けてきた、南和田の鎌倉詔さんがアマゴとヤマメの微妙な関係について語ってくれました。

※1… 陸封 もとは海に棲んでいた魚などが、川や湖などに封じ込められることを陸封といいます。アマゴやヤマメのなかには今でも時折海へ下ろうとする個体がおり、体色が銀色になります。これをスモルト(銀毛)化といいますが、なぜ銀毛化するのかはまだよくわかっていません。

  • bunpアマゴとヤマメの分布図

「かつて川魚がまだ知られていなかったころ、長野県の東京事務所が東京のイベントでアマゴを売ったことがありました。けれどアマゴやアメノウオという名は都会のお客さんに親しみにくく、『イワシですか?』と訊かれるほどで、なかなか売れませんでした。そこでおなじ魚をヤマメと言って売ったところ、お客さんは安心して買ってくれたということがあったそうですよ」

渓流釣りが普及してアマゴの名も通るようになった今でも、一般的にアマゴのことをヤマメと呼ぶ場合が多いのです。また、最近では放流が盛んとなり、ヤマメとアマゴの交雑種が天然の河川でも見られるようになってきています。

▲PageTop

遠山川の尺アマゴ

 アマゴの寿命は四~五年といわれ、多くのアマゴは産卵後も死ぬことはありません。  遠山川は三十センチを超える大物、いわゆる尺アマゴが釣れる名川として釣り人に知られています。
 広大な南アルプスを源流とする遠山川は水量も餌も豊富で、尺アマゴの育つ環境に恵まれています。また、その流れの激しさゆえに否が応にも魚のヒレが発達し、身が引き締まっています。
 イワナが細く暗い谷にひそむのに対し、アマゴは明るく開けた谷川でその美しい姿を躍らせています。イワナよりも警戒心が強い一方、いったん緊張をほどくとその逞しい遊泳力で貪欲に餌を狙い、さまざまな表情を見せてくれます。

  • amago2遠山川のアマゴ

アマゴを育てる苦労

 南和田大町の鎌倉詔さんが、父親とともにアマゴの養殖を始めたのは昭和三十七年。アマゴを村の特産品にしたいという思いからでした。現在では後を継いだ息子さんとともに、南信濃のアマゴ養殖を一手に引き受けています。

 鎌倉さんの養魚場では、現在円形水槽を導入しています。つねに水流が保てるので水の淀みがなく、病気が出にくい上に魚の運動量が増えて身のしまったアマゴになるのです。水槽にはシートを貼り、魚に傷がつかないように配慮しています。
 普通のアマゴは孵化後十~十四ヶ月で出荷できるようになりますが、燻製にするような尺アマゴは、二年かけて育てます。

  • ikes水槽を元気に泳ぐアマゴ
  • choice仕分け作業をする鎌倉さん

 養殖といっても、アマゴの飼育には自然環境が大きくものを言います。とくに、一年中安定した水温と湧水量をもつ水の確保が第一条件。冬場は10℃以上、夏場は17℃以下の水温が理想です。特に夏場は、水温が20℃を越えるとたちまち病気が広がってしまいます。  

「相手は水の中の生き物ですから気を使いますね。病気が広まりやすいし、一時間でも水が止まると酸欠になって全滅しかねません。台風が近づいてき た時なんかは、もう寝ずの番ですよ。三年前の夏、谷川から水槽へ水を引くパイプが落石で破損したことがあります。運悪く私が外出していて、近所の 人から知らせを受けて駆けつけたときにはもう手遅れでした。出荷直前のアマゴが全滅して、二百万円の損害を出しました」

 天然も養殖も、遠山谷のアマゴは自然が育んだ繊細な芸術品なのです。

  • amago朱赤斑も鮮やか
●アマゴ(ヤマメ)を味わえるお店
>遠山郷の旅館や食堂ではアマゴ(ヤマメ)が食べられるお店があります。お問い合せください
●参考文献
『南信濃村動物誌 遠山郷に生きるどうぶつたち』 1998 南信濃村教育委員会
「遠山川の魚類と河川環境についての考察」 松下賢

▲PageTop

  関連記事

遠山地鶏とは

遠山地鶏とは 山深き地ならではのコクと野生味  遠山地鶏は、平成十四年度から天満雉養殖組合が村の委託を受けて飼育・加工・販売を行 >続きを読む

no image
登山の届出とマナー 長野県警の山岳情報

登山の届出とマナー 南アルプスへの登山計画書 登山者カードを必ず提出してください    登山の前には、必ず登山計画書を提出してく >続きを読む

黒石岳登山記

広葉樹の宝庫で森林浴を・・黒石岳登山記 黒石岳(1,376m)は戸倉山の北東、泰阜村境にそびえています。 中腹の底稲まで車で行け >続きを読む

遠山の紅葉

遠山の紅葉 遠山郷の平均的な見頃は10月下旬から11月上旬ですが、上村のしらびそ高原など、標高の高い場所では10月上旬から染まり >続きを読む

しらびそ高原ミニ登山

景色の良いハイキングコースです ~しらびそ高原ミニ登山~ 南アルプスを眺めながら原生林を歩く、初心者でも登れるミニ登山コースをふ >続きを読む

遠山氏の歴史

名君?暴君?伝説の彼方に息づく戦国の武将 戦国時代から江戸時代初期にかけて、 遠山谷は遠山氏と呼ばれる地方豪族に支配されていまし >続きを読む

地鶏メニューあれこれ

地鶏メニューあれこれお土産処 昔ながらの食べ方で・・・・ 「地鶏ジンギス」「地鶏鍋」   遠山地鶏を味わうことのできるお店は、南 >続きを読む

no image
ドキュメンタリー映画「産土」youtubeで公開。

2012年に制作されたドキュメンタリー映画「産土」 最近youtubeで公開されて、広く視聴できるようになりました。 遠山郷をよ >続きを読む

山城 遠山氏の城址

山城 遠山氏の城址 遠山氏は戦国の世を勝ち残るため、遠山谷一帯に多くの城を築きました。 現在でもその城址を見ることができます。  >続きを読む

庚申講の思い出

庚申講の思い出 高齢者の語り ふるさとへの伝言 庚申講が盛んだった頃の様子を、 『高齢者の語り ふるさとへの伝言』から、かいつま >続きを読む

アマゴ(ヤマメ)~遠山を代表する川魚~ 長野県最南端の秘湯と秘境の里・山と渓谷に囲まれた里山がここにあります

Copyright © 1998-2016 遠山郷観光協会 All right reserved.

▲ページ先頭へ