猪解体レポート
猪解体レポート
2003年12月、肉のスズキヤさんにお邪魔して見学させていただいた猪解体の様子をお知らせします。取材をOKしてくださったのは若旦那さん、解体を実演してくださったのは大旦那さん。
「山肉は新鮮さが命だからねえ、本当はゆうべのうちにさばいちゃいたかったんだけど、息子が『ストップ』って言うもんだから。もう、始めていいかな?」
大旦那の鈴木理孔さんはそう言って、大の字にひっくりかえっている猪に、年季の入った小刀をサクサクと刺し込みはじめました。
解体開始直後の猪
鈴木理孔さん(大旦那)の話
「解体技術は、この店を始めるときに飯田の肉屋で一週間修行したけど、あとは我流。店に来るお客さんから『今度の肉はまずい』『うまい』と教えられて勉強したね。
鈴木理孔さん
今解体してるのは、内臓抜きで40kgのメス。たぶん2~3歳かな。今まで扱った中で一番大きかったのは、10年くらい前に獲れた、ワタ抜きで120kgのオス。 ほかにも、猟師が大物を仕留めたはいいが、谷底に落ちて動かせなくて、鋸で4つに割って運び出したなんて話もある。 年経た猪は、しょっちゅう泥浴びするから、肩のところにタコって呼ばれる固いコブができる。そこまで来ると、肉の味は落ちるけどね。
猪や鹿の利用法は、肉を食べるだけじゃないよ。昭和40年代の初めまでは、猪の肩に生えてる固いミノ毛がよく売れた。革靴を作るときの針として使うんだ。猪の毛は先が二股になっていて、そこ糸をひっかけると抜けなくなるから、都合がいいんだ。 昭和30年代までは、鹿の皮が一枚一万円で売れた。鹿の毛は管になっているから、友禅染のハケに使われる。
この猪は、腹の中にちょっとワタが残ってた。まだ慣れてない猟師だったんだろうな。 野生の獣をさばくと、その年の山の木の実の出来が分かるよ。今年は、大鹿は豊作だったけど遠山地方は不作だったみたいだね。 どうしてわかるかって?包丁を入れたときの刃触りさ。これがわからなけりゃ、肉屋とは言えないよ」
まず腕から皮を剥ぐ
皮下脂肪から皮を丁寧に剥いでゆく
あっという間に丸裸
ナイフと糸でリブを外していく
解体終了、おいしそうな肉のカタマリ
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