戸倉山登山記
遠山郷のマッターホルン ~戸倉山登山記~
戸倉山(1,167m)は伊那山地の南部に位置し、「遠山郷のマッターホルン」とも呼ばれています。 山頂からは伊那谷と遠山谷そして南アルプスが望め、 春にはミツバツツジやアカヤシオが咲き乱れる植物の宝庫です。
飯島発電所から林道へ
南信濃村和田と天龍村平岡とのほぼ中間、国道418号線沿いの飯島地籍に飯島発電所がある。
戸倉山への登山口はこの飯島発電所近くから遠山川を背にして泰阜方面へ登る林道名田熊線の終点になる。
終点は車が数台おけるスペースしかない。ここから徒歩となるが遠山今朝道さんの手入れした道を同氏宅まで登る。
そのまま左手に進むと谷京峠に至るが、戸倉山へは右手に折れ遠山今朝道さん宅の庭を通り裏手に廻って進む。敷地内を通るため失礼のないようにお願いする。
行 程
和田-(車で10分)→飯島地籍-(遠山さん宅)(30分)→山の神-(30分)
→谷京峠との分岐-(40分)→小戸倉山との分岐-(60分)→戸倉山頂
山ツツジのトンネルをゆく
美しいアカヤシオ
植林された檜林の細い急な山道を登り詰めると「山の神」がある。そこを左に曲がり雑木林の登山道を尾根伝いに進むと、やがて素晴らしいミツバツツジのトンネルの群生地に出る。
私たちの登山は5月上旬であったが、丁度ツツジが満開でその美しさに感動した。頂上まで所々にミツバツツジが咲き、疲れを癒してくれた。
ミツバツツジのトンネルを抜け、途中の小戸倉山には稜線通りの頂上越えの道と、泰阜側の中腹を捲く道との二本のルートに分かれている。
前者は落石や滑落に気を付けるほどの急登となるが、展望が楽しめる。後者は急ではないが、灌木に覆われ藪を踏み越えるはっきりしない悪路である。
小戸倉山まで登山口より約1時間半を見ておきたい。 二本のルートが合流した後は、山頂に向かって一本線の急登となる。焦らず注意して登りたい。
山頂に近づくとミツバツツジと混じって、アズマツツジの種とされるアカヤシオが見られる。
ミツバツツジの紫に対し、アカヤシオは花びらが大きくピンクで華やかさ派手さがある。特に山頂付近はアカヤシオが多く美しい。
戸倉山は植物の宝庫である。アカヤシオをはじめ植物は写真に撮るだけにして、根こそぎ採ることのないようにしたい。
飯田と兎岳を同時に眺望
情報誌アンバマイカNo.7(平成14年2月)より一部改変
山頂は伐採してあり、特に泰阜方面の展望が開け飯田方面まで伊那谷が遠望できる。南アルプス方面は黒石岳越しにまだ雪をいただいた神々しい兔岳、聖岳を望むことができた。小戸倉山から約1時間で戸倉山頂に着く。
帰路は往路を戻るが小戸倉山からミツバツツジのトンネルを過ぎ、尾根沿いの道を「山の神」に下るときに注意が必要である。うっかりすると谷京峠方面へ直進してしまう。
また、泰阜方面へ下りたり名田熊沢の断崖へ迷い込んだりしてしまうので、しっかりと地形を読み慎重に下山したい。
(遠山山の会 K・K)
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