黒石岳登山記
広葉樹の宝庫で森林浴を・・黒石岳登山記
黒石岳(1,376m)は戸倉山の北東、泰阜村境にそびえています。 中腹の底稲まで車で行ければ、比較的気軽に登れる山です。 ブナなどの広葉樹の木陰で森林浴が楽しめます。
無人集落から登る
- 山頂の奥、泰阜側にテレビの受信アンテナがある。自然林の中に人口の工作物があるのは奇異だが、何といっても南信濃村は地上波ではテレビはおろかNHK-FM以外はラジオさえ電波の届かない所であるから、メディアの情報を得られることに感謝である。
黒石岳に登るには、底稲まで車で入れるので、楽である。
しかし、この村道「山原-底稲線」は落石や倒木で通れないことがあるので事前に調査するか、覚悟を決めて行こう。
私たちが行ったときも、降雨の後であったため、落石が多く、たびたび車を止めて落石を寄せて前進、また停めて除去作業、という繰り返しであった。
当日は「かぐらの湯」駐車場に集合し、出発してから底稲に到着したのは1時間後であった。
旧底稲集落が無人となって久しいが、村道であるからには定期的に道路整備・補修を行政にお願いしたい。
底稲集落の跡地の一番奥にある旧緑川さん宅の前から登山道が始まる。私たちはそこに駐車したが、100メートルほど手前を左に入ったところに広場があるので、そこに駐車していただくようお奨めする。
行 程
和田-(車で40~60分)→底稲-(30分)→尾根分岐-(40分)
→アンテナのある赤松ピーク-(30分)→黒石岳山頂
- 山頂にて情報誌アンバマイカNo.9(平成14年9月)より一部改変
さて、登山道の標識(平成14年5月11日・遠山山の会建立)から檜の植林の中を行くとすぐに二俣に分かれる。どちらに行っても黒石岳に行かれるが、ここではオーソドックスに右に折れ、尾根に早く出よう。
黒石岳には「南信濃村有線テレビ放送受信点」というアンテナがあるので、メンテナンスのための作業道でもあり、案内の標識が各所に設置され、迷うようなことはない。
30分程歩くと尾根に出る。そこを左へ進む。針葉樹の植林は底稲周辺のみで、あとはすべて原生林である。
ブナ、ミズナラ、ツガ、クヌギなど広葉樹が大勢を占める。明るい樹林帯で気持ちのよい所である。
次第に勾配がきつくなるが、黒石岳へは2時間足らずであるので、気に入った場所があれば、ゆっくり休むのもよいだろう。
一つ目のピークを過ぎ、再び急登を登り詰めると赤松の大木のあるピークに付く。その赤松の横にテレビの受信アンテナがある。
ここまで来れば、あと一頑張りで黒石岳である。小ピークがいくつかあるが起伏はさほどではない。
黒石岳の山頂もブナなど広葉樹に囲まれた、落ち着いた雰囲気の場所である。夏は緑陰に涼風で思いっきり森林浴が楽しめる場所である。
帰路は往路を底稲に向かって降りる。割合気軽なハイキングである。ただし、車で底稲まで入れればである。万一、山原か樋口(どちらも和田地籍)に車を置いていくことになると、往復で4時間余計に時間がかかると頭に入れておいてほしい。
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