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遠山郷の歴史

(1)中世までの遠山郷

中世までの遠山郷は、中央構造線沿いの山間の谷間にあり、縄文時代以来伊那谷や諏訪方面と東海道方面をつなぐ歴史的な交易地であり、人や物、情報がめぐりました。
遠山郷一帯にみられるような南朝・後南朝伝承はそのような歴史的背景を示しています。中世には鎌倉方の勢力が浸透し、この谷は遠山氏がこの地域を支配していました。

(2)徳川政権の支配下に置かれる

しかし、徳川家康が政権を握ると、徳川家康はこの遠山郷を自分の直接支配下に置きました。しかも、遠山郷一帯に他国人の入国を禁止するほどの厳しい支配でありました。
いわば、国内の中の「鎖国」状態を作ったのです。
その理由の1つは、木曽山と並ぶ豊かな森林資源を江戸の町建設に利用しようとしたのです。そのために角倉了以に天竜川を改修させ、「榑木」生産を開始し、本格化させたのです。もう一つは、武田勢の復活を恐れたものと思われます。

(3)秋葉道の浮上

こうして榑木生産が活性化しますと、伐採も進み森林資源は枯渇するようになり、遠山郷への流入もみられるようになり、飯田と秋葉山方面を結ぶ秋葉道が浮上しました。
和田には宿場が形成されるようになりました。遠山郷の人々は街道を通して入ってくる他国の情報を知ることができるようになり、災害や疫病から身を守れる神々を全国から勧誘したのです。こうして神々を家の中はもちろん、宅地、無地、山地へも数多く個人で祀ったのです。
それが遠山郷に神々が集積した理由です。

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遠山郷の人々にとって神様の存在とは?

遠山谷の至る所にみられる水神様

水神

遠山川や山から流れてくる沢に沿って鎮座している水神様。
現在の遠山川は、ダム工事や治水工事が実施され、大雨や台風時に「暴れ川」と化した荒々しい姿を想像することは難しいですが、かつての遠山谷の人々は田畑や家や家財道具、そして人命までもを奪い去る川や沢に畏敬の念を抱いていました。

そこで、かつて氾濫した場所や危険な場所に、文字で「水神」と力強く彫り込んだ石碑を建て、水害が発生しないように祈りをささげ、そして水害の危険やその記憶を後世まで伝えようとしました。

秋葉・金毘羅様と津島様

秋葉・金毘羅様と津島様

商工会館の前にある立派な石造物で、和田の町に入ると真っ先に目に入る神様です。
この地方では、火伏の神である遠州の秋葉様と、讃岐の金毘羅様を一緒に祀ることが多いです。

その背景には、秋葉山まで続いた秋葉道がこの近くを通っており、秋葉大権現を参拝したあと伊勢や各地の神社仏閣を詣でて金毘羅山まで旅をしたという、かつての旅のスタイルがあります。
この大きな石造物はそうした旅の安全を祈願した神様でもあったのでしょう。その右隣には「伊勢」の文字が刻まれた燈籠もあります。

また、石造物の左隣には厄病除けの神である津島様を祀る小さな祠もあり、毎年台風シーズンの前には地域の人々がお酒と煮干しを用意して防災を祈願します。

マムシ除けの知立神社

マムシ除けの知立神社

知立神社は、三河国の「二の宮」であり、東海道の宿場町であった知鯉鮒(現在の愛知県知立市)に鎮座する神社です。
知立神社は、安産祈願、雨乞い、マムシ除けの御利益があるとされますが、なかでも遠山郷に祀られる知立神社にはマムシ除けの願いが込められています。

本家の知立神社では、9世紀の半ばに慈覚大師(円仁)が近くを通った際にマムシに咬まれましたが、知立神社に祈願すると何ともなくなったという言い伝えから、マムシ除けが御利益に含まれるようになりました。
ちょうど遠山郷で知立神社が祀られている辺りは夏になると草が生い茂り、マムシの格好の棲みかになります。そこで、この土地の地主である地元のお医者さんは、知立神社を勧請し、マムシの被害が出ないように祈願しました。

夜泣きが治る子安様

夜泣きが治る子安様

和田城を左に見ながら和田の町を抜け、小池沢沿いの道を少しのぼると子安様を祀った祠があります。

これは、地元・和田新町の商店街に店を構える「近江屋」さんの先祖が祀ったものです。小さな子どもが夜泣きをした際にお参りするとそれが治るとされ、かつては乳飲み子を抱える多くの母親たちが信仰を寄せました。
しかし、そんな風習もじょじょに忘れ去られ、お参りに来る人も少ないようですが、現在でも近江屋さんは毎年決まった時期に下草を刈って注連縄を付け替え、丁重にお祀りをしているとのことです。

失物が出てくる愛宕様

物が出てくる愛宕様

現在の自治振興センターの近くに愛宕様を祀る祠は、御利益が大きく変化しました。

祠の中のお札は京都の愛宕神社から勧請されたもので、当初は秋葉様と同じように火伏の神の性格がありました。
かつての町屋は燃えやすく、火事が発生するとあっという間に延焼してしまいます。そこで、地元の秋葉様以外にも愛宕様を勧請し、防火を祈ったのでしょう。
和田の町に祀られる別のある愛宕様は、かつて大火があった際に祠の前で火の海が止まったというから不思議なものです。

しかし最近では、写真の愛宕様は「お参りすると失物(無くした物)が出てくる」ということで、多くの人々が参拝に訪れています。
お参りすると不思議と無くしたものが出てくるといい、火の海が止まったという言い伝えとともに、愛宕様の御利益を強く感じることができます。

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