長野県南部の南アルプスの懐に抱かれた小さな山里・南信州遠山郷。この遠山郷には、驚くほど沢山の神様が集っています。
集会所の裏側に並ぶ石碑群。
林の中にひっそりたたずむ石ぼとけ。
畑の脇の道祖神。
なかには忘れかけられた神様もあるほど多くの神々が鎮座する遠山郷を「神様王国」と名づけてみました。
石碑や社は決して豪華ではありません。でも、素朴で簡素で、不思議と落ち着く空間。神々には先人たちの心のこもった願いがかけられています。
いま一度、神様のお力をお借りして、現代の「癒しの空間」として遠山郷を広くご紹介しよう、というのが、この「遠山郷・神様王国」開国の趣旨です。
「神様王国」では、神々を巡る「神様王国ウォーキングコース」を設定しました。ガイドの養成もおこなって、ご要望により、皆様の道先案内もつとめさせていただきます。
遠山郷の神々に、皆さまは何をお願いしますか?
自分の願い事にぴったりな神様との出会いがあると良いですね。
山深くの小さな里・遠山郷に多くの神様が集っているワケ
これには遠山郷の環境・歴史に深いワケがありました。
・長い間、外界との交流が断たれていたこと
・遠山川の水害や疫病、飢餓などの厳しい自然環境、その自然環境との共存を願っていた
…などなど
神々に願いをかけて、地域を豊かにしようとしていた先人たちの思いが、神様を巡ると見えてきます。
様々な願いを聞いてくれる神様を巡るウォーキングコース。
遠山郷の豊かな自然の中で、神様に願い事を聞いてもらえば、心も体もリフレッシュ!?
日本人は、長い歴史の中で、特定の宗教でなく、多様な自然環境への敬意で生命・生活の安全・安定を願い、身の回りに多くの神を祀り、過ごす事を願ってきました。
南信州・遠山郷は都から離れた山間の地にありながら、全国から集まった多くの神々と地元から生まれた土着の神々が共存・集積した神々の世界をつくり出してきました。
人々の神々への願いもそれだけ強く、庶民信仰の神々が遠山郷内にみられます。
時代の変化の中で、神々の中には忘れられかけた神々もありましたが、このたびかつて秋葉道の和田宿が栄えた地区から、神々を調査しあらためて神々を浮かび上らせることができ、まずは33の神々を巡ることで、人々に「癒しの空間」としても体験していただくことができるようになりました。我々はこの「癒しの空間」を「遠山郷神様王国」と命名し、平成20年3月にオープンいたしました。これを機会に皆様方にもぜひこの「神様王国」へお出かけいただき、新たな生活への糧としていただきたいと願っています。
遠山郷神様王国運営委員会会長 中井源浪 愛知大学文学部教授 藤田佳久
神様王国運営委員会