草田建史さん葬式のときには「精進落とし」として、尾と頭を落としたスビテが宴席に並びました。
また盆の13日の晩には、 「塩気の魚を食べないと、ほとけに口をねぶられる」 といって、スビテを食べる習慣がありました。サバの生臭さが、死霊を祓うと信じられていたのかもしれません。
一方、結婚式などのお祝い事にも、必ずスビテがふるまわれました。
不祝儀のスビテは尾と頭を落とすきまりでしたが、祝儀の席のスビテは、鯛の代わりの「尾頭つき」だったのです。
今でも、村の祭りや宴会に、スビテは欠かすことができません。
スビテの仕出しを手がけている和田のヨシマルヤさんでは、スビテ用として、必ず日本産の塩サバを仕入れています。
多く出回っているノルウェー産などでは、いいスビテは作れないのだそうです。
塩サバの塩を洗い落とし、三枚に下ろして皮を剥き、切って皿に盛り付けます。これを砂糖・酢・醤油を合わせて煮詰めたた調味液に1〜2時間漬けると、肉の芯まで味が染みこみます。
ヨシマルヤの草田建史さんによれば、 「調味料の合わせ方がコツだよね。店ごとに味が違うから、それぞれの店に固定のスビテファンがつくんだよ」 とのこと。店ごと家ごとに少しずつ味が異なる、昔ながらの郷土料理です。

豪快に盛り付けられたスビテ